宅建 講座 体験講義宅建業法入門 ~宅地・取引・業の定義~

この記事では、宅建業法の入門テーマ「専門用語の意味」をお届けします。宅建業法の適用範囲を決める「宅地」「建物」「取引」「業」の4つの定義から、宅建業法独自の意味を持つ「事務所」、そして「宅地建物取引業を営む者」の3つのパターンまで、テキストの図解に沿って講師が順に解説していきます。

 

 

1. 「宅地」の定義① ― 建物の敷地に供せられる土地
2. 「宅地」の定義② ― 用途地域内の土地
3. 「建物」と「取引」の定義
4. 「業」の定義 ― 不特定多数×反復継続
5. 「事務所」の意味 ― 本店と支店の扱い
6. 「宅地建物取引業を営む者」の3パターン
目次
講義の概要

「宅地」の定義① ― 建物の敷地に供せられる土地

テキスト18ページ、1-4「専門用語の意味」に入ります。宅建業法は主に「宅地建物取引業を営む者」について適用されます。それゆえ、宅建業法の適用範囲を知るためには、まず「宅地・建物・取引・業」という言葉の意味を明らかにする必要があります。最初は宅地の意味です。黄色の枠で星5個、超重要テーマとなります。①建物の敷地に供せられる土地を、宅建業法では宅地といいます。「敷地に供せられる土地」というややこしい言い方は本試験で出る言い方ですので、今から慣れておいてください。要するに、建物を建てるための土地が宅地だということです。

もう少し深掘りすると、(1)現に、つまり今まさに建物が建っている土地は宅地です。これは分かるかと思います。(2)が一般常識とは少し違うところで、今は建物がなくても、将来建物を建てる目的で取引される土地についても宅建業法では宅地といいますので、ここをしっかり頭に入れておいてください。

ポイント:宅地の定義①は「建物の敷地に供せられる土地」。現に建物が建っている土地だけでなく、将来建物を建てる目的で取引される土地も宅地に含まれる。

「宅地」の定義② ― 用途地域内の土地

続いて②番です。これも重要です。都市計画法にいう用途地域内の土地も、宅建業法では宅地といいます。用途地域とは、たとえば住居系の用途地域ならこの辺りには家をたくさん集めたい、商業系なら商店街を集めたい、工業系なら工場を集めたい、というように土地の用途が決められる地域のことです。将来的には家が建ったり店が建ったりするわけですから、こういった土地についても宅地と呼ぶわけです。ただし書きに注意してください。現に、つまり今まさに道路・公園・河川・広場・水路の用に供されている土地は除かれます。いくら用途地域内の土地であっても、今まさに道路や公園などになっている土地は、宅建業法でいう宅地には該当しませんので、ここもしっかりと頭に入れておきましょう。

ポイント:用途地域内の土地は原則として宅地。ただし、現に道路・公園・河川・広場・水路の用に供されている土地は宅地に該当しない。

「建物」と「取引」の定義

テキスト19ページ、建物を見ていきましょう。これは簡単で、屋根と柱(壁)のある建物をいい、建物の一部も含まれます。たとえばマンションの一室が、建物の一部ということになります。次に、また黄色の枠で星5個の取引の意味です。①自ら売買すること、そして物件を交換することは、宅建業法でいう取引に該当します。ただしバツ印がありますね。自ら貸借は取引に該当しません。イラストのおばあちゃんのように、自分が持っているアパートを学生などに貸している場合、自ら自分の建物を賃貸借しているだけですから取引にはあたりません。少し発展的に言うと、宅建業法で取引に該当しなければ、宅建業の免許はいらないということにつながるわけです。

②番も追いかけましょう。他人の物件の売買・交換・貸借について代理したり媒介したりする行為も、宅建業法では取引に該当します。この①番と②番をしっかり押さえておきましょう。

ポイント:「取引」は①自ら売買・交換(自ら貸借は含まない)と、②売買・交換・貸借の代理・媒介。自ら貸借にとどまる場合は取引にあたらず免許も不要。

「業」の定義 ― 不特定多数×反復継続

20ページ、最後にの意味です。①不特定多数を相手にすることをいいます。ですから自社の社員のためとなると、相手が「特定」されますから業には該当しません。②反復継続して行うことが業に該当します。ですから宅地を一括、つまり1回限りで売却するという行為は業には該当しません。③営利性、つまり報酬の有無は問題となりません。そして④番が重要です。一般の人が、たとえプロの宅建業者に媒介・代理を頼んだとしても、今まで見てきた宅地・建物・取引・業に該当すれば、一般人であっても宅建業の免許が必要となります。ここもしっかりと押さえておきましょう。

ポイント:業の要件は「不特定多数を相手」+「反復継続」。報酬の有無は問わず、業者に媒介・代理を依頼しても要件をみたせば一般人にも免許が必要。

「事務所」の意味 ― 本店と支店の扱い

21ページ、2番で事務所とはどういう意味かを見ていきましょう。事務所というと一般的なイメージがあるかもしれませんが、宅建業法独自の意味があります。意義の(1)本店(主たる事務所)。支店だけで宅建業を営み、本店で宅建業を営まない場合でも、本店は常に宅建業法上の事務所にあたります。(2)宅建業を営む支店(従たる事務所)。(3)継続的に業務を行うことができる施設を有する場所で、宅建業に係る契約締結権限を有する使用人を置くものも事務所に該当します。テント張りの案内所はこれにあたりません。

文章では分かりにくいので、図で確認しましょう。たとえば本店では宅建業をやっておらず建設業を営んでいても、A支店で宅建業をやっていれば、本店は支店の業務を命令しうる地位にある以上、常に宅建業法でいう事務所に該当し、宅建業法上の様々な規制を受けます。一方、宅建業をやっていない(ビル管理業のみの)B支店は、事務所にはあたりません。この本店と支店の扱いの違いを頭に入れておきましょう。

ポイント:本店は宅建業を営んでいなくても常に事務所にあたる。支店は宅建業を営む場合のみ事務所となる。

「宅地建物取引業を営む者」の3パターン

22ページ、3番で宅地建物取引業を営む者とはどういう意味かを見ていきましょう。いろいろなパターンがあります。通常のパターンは一番左、都道府県知事の免許か国土交通大臣の免許を取得して宅建業者になります。ただし、免許を取り消された場合でも、今まさに進行中の取引が終わるまではみなし業者として扱われます。真ん中の信託会社や信託銀行のパターンでは、国土交通大臣に一定事項を届け出ることによって、国土交通大臣免許を受けた宅建業者とみなされます。最後3つ目のパターン、国や地方公共団体、都市再生機構等は、しっかりしているので変なことはしないだろうということで、宅建業法そのものの適用を受けません。ですから業者にならなくても宅地建物の取引をすることができます。

枠の一番下の米印もご覧ください。信託会社・信託銀行は、信託業の免許等を受けて信託業務を行っており、その信託業務の中に宅建業が含まれているので、別個に宅建業の免許を受ける必要はありません。ただし、この免許の規定が適用されないだけであり、他の宅建業法の規定は適用されますので、この点を押さえておきましょう。

ポイント:通常は知事免許・大臣免許を取得して業者になる。信託会社・信託銀行は届出でみなし業者となり(免許規定以外は適用あり)、国・地方公共団体等は宅建業法の適用外。

講師コメント

宅建業法の用語の定義は毎年のように出題される最重要テーマです。特に「宅地」の範囲と「取引」のパターンは、確実に得点できるよう整理しておきましょう。

宅建士講座 窪田義幸
「宅地」は将来建物を建てる目的で取引される土地や用途地域内の土地も含む広い定義
「取引」は①自ら売買・交換、②売買・交換・貸借の代理・媒介(自ら貸借は含まない)
「業」の要件は不特定多数を相手に反復継続して行うこと(報酬の有無は問わない)
宅建業を営むには原則として免許が必要(信託会社等は届出、国・地方公共団体等は適用外)
この講義のまとめ
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